ミタの見たまま

寒いタイトルですが、見てもいいという物好きな方は見てやってください。

2018 日本ダービー(東京優駿)回顧

 明確な逃げ馬が居なかった今年のダービー。その中でもハナを切ると思われていたジェネラーレウーノは外枠が影響して2番手。皐月賞馬のエポカドーロが押し出される形で先頭に立ち、3番手にダノンプレミアムやコズミックフォースや今日は先行策を取ったワグネリアンらが控え、その後ろにブラストワンピースが付ける展開になります。キタノコマンドールやステルヴィオは後ろからの競馬となりました。1000m60.8秒と昨年ほどではないもののスローペースに。4コーナーを回り最後の直線になるとエポカドーロが半馬身ほど抜け出します。ダノンプレミアムは進路が塞がり伸びに欠き、ブラストワンピースも反応が良くなく、この時点でエポカドーロに加えて、コズミックフォースとワグネリアン3頭の争いになります。エポカドーロが一旦は1馬身ほどリードしますが、最後はワグネリアンがジリジリと前との差を詰めて、最後はエポカドーロを差し切り先頭でゴール板を駆け抜けました。2着はエポカドーロ、3着は16番人気のコズミックフォース、4着は13番人気のエタリオウが入り、ブラストワンピースは5着、ダノンプレミアムは6着。ステルヴィオ8着、キタノコマンドール13着と後ろからの競馬を選んだ有力馬は馬群に沈みました。

 

 1着のワグネリアンはもちろんGⅠ初制覇。皐月賞では1番人気ながら自慢の末脚を発揮できず全く競馬になりませんでしたが、ダービーでその無念を晴らしました。鞍上の福永騎手も98年キングヘイローでの挑戦から19回目での初優勝です。過去に2着2回と惜しい競馬もあったがその時の1着馬がウォッカキズナと名馬に敗れる運の無さも相まって、ダービーとは無縁と思われていた名手が遂にホースマン最高の栄誉を掴みました。昭和の天才と呼ばれた父も果たせなかったダービー制覇を平成最後のダービーで達成するドラマ性の高さを含めて快挙です。友道師は16年マカヒキ以来のダービー制覇。そしてオーナーの金子氏は4度目のダービー制覇です。ワグネリアンの血統表には金子オーナーの馬が多く刻まれているのがこのオーナーの凄さを物語っています。近年のダービー馬はダービー以降GⅠ勝ちがないジンクスが続いているが、ワグネリアンはそれを打ち破れるのでしょうか。そしてワグネリアン菊花賞に向かうのか、それとも古馬との対決になるのか、はたまた海外遠征なのか。秋以降の動向に注目をしています。

 

 2着のエポカドーロは皐月賞での勝ち方がフロックでないことを証明しました。調教や直前のテンションで心配されましたが、この世代屈指の実力を持っていた馬だったのは誰しもが認めるところであります。戸崎騎手も福永騎手と共に競馬ファンの間で好き嫌いの分かれる騎手ですが、大舞台で馬の力を最大限に出せた騎乗が出来るのは3年連続リーディングジョッキーであった所以でしょうか。

 

 3着のコズミックフォースはトライアル勝ち馬と人気面で軽視されていたが、先行策が功を奏し、3連単280万馬券を叩き出しました。石橋騎手は2週連続の3着ですが、オークス3着とは全く違う手応えを感じているはずです。今日のような騎乗が出来ればいずれラッキーライラックのような有力馬に乗ることも増えるでしょう。彼も今年のダービーで名をあげる事に成功した一人です。

 

 5着の無敗馬ブラストワンピースは一級線との実力差を見せつけられた一戦となりました。直線に入っても鞍上との息が合わずに消化不良の感は否めません。しかし、同じ無敗馬ダノンプレミアムに先着したことは評価が出来ます。やや太め残しに見えた馬体が完成してくれると、有馬記念などで穴を開けてきそうです。

 

 6着のダノンプレミアムは悔やまれるレースとなりました。内枠を生かした競馬をしたまでは良かったが、最後300mからは進路が塞がり久しぶりのレースだったのも影響したのか、そこを割ってくるまでの脚は残っていなかったです。皐月賞を使えなかったのが勝ち切れなかった要因の一つだと思います。秋に向けてダノンプレミアムに限らず、今年のディープ産駒は菊花賞よりは秋天やマイルCSに出て来る方が面白いので古馬との対決に期待したいです。

 

 8着のステルヴィオ13着のキタノコマンドールは結果論ですが、1コーナー時点で後ろの位置どりだった時点で厳しくなってしまいました。ルメール騎手とミルコ・デムーロ騎手と言えど位置どりのミスをカバーするのは厳しいのを実感させられました。そもそも彼らの牡馬のお手馬がここ2年ほど強くなかったのも今年のクラシックを面白くしました。まだ菊花賞が残っていますが、来週の新馬戦から早速来年に向けて血眼になって来年のクラシックに出る牡馬を探すはずです。

 

 菊花賞では春のクラシックを賑わした馬に加えて、昨年のキセキのような夏の上がり馬も殴り込んできます。今から菊花賞が待ち遠しい日々が続きそうです。

 

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